鍼灸治療とは?
症状がある患部はもちろん全身のバランス、気の流れ、ツボの反応を診て鍼や灸を用いて、刺激を与え、病気の治療や予防を目指す治療法です。
人が本来持つ自然治癒力や免疫力を高め治療やけがの予防まで行っています。
鍼灸治療を行うことでけがなどの症状は普通に治療(湿布や電気)するより2~3倍速く治すことができます。
治療器具について
ステンレスディスポ鍼
細いステンレス製の鍼(長さ約15mm~80mm、太さ直径0.18mm~0.30mm)を経穴(ツボ)に刺入します。
刺入方法は、主に管鍼法と言って円形の筒を用いて無痛(若干痛みを感じる時もあります)で刺入します。
経穴(ツボ)に刺入した鍼は一定の刺激(鍼を上下したり回旋させたり)を加え直ぐに抜く方法と10~15分間置いておく場合があり全身の気の流れ、バランスを整え治療していきます。
また、刺入した鍼に、微弱な低周波パルス通電をする場合もあり痛みや筋肉のこり、血液循環の促進に効果があります。
当院の鍼治療は全身治療を基本としていますが、鍼の使いすぎると効果が減ってしまうので一つの体位(仰向け、うつ伏せなどで8本以下を基本としています。
鍼の消毒は、一回限りで使い捨てのディスポ鍼の急速な普及により感染症の心配は有りませんので安心です。
透熱灸 せんねん灸
透熱灸は、お灸の特効穴を使い半米粒大(お米の半分の大きさ)に艾(もぐさ)をひねり皮膚に直接行います。
感覚としてはチクッと熱く感じたりズーンと熱が中に透る感覚があります。
せんねん灸は台座の上に艾がついていて火をつけると暖かい感覚があります。冷え症などの症状に大変効果があります。
身体のポイント「ツボ」とは?
私たちの身体には361箇所のツボが存在すると言われています。
東洋医学の専門用語では「経穴」と呼ばれて、診断点であり治療点になります。
ツボの大きさは大きいもので500円玉ほどあるといわれています。
ツボは普段は何も感じないところが、体調が悪くなると押すと痛かったり、硬かったり、冷たかったりします。
刺激すると反射が起こり症状を緩和し、弱った機能を回復させます。
施術の特徴
入念な問診・カウンセリング
初回受診時に治療申込書(問診表)を書いていただきます。
問診表を元に患者様の現在悩んでいる症状のほか、日常の生活習慣、食事習慣などのお話を聞かせていただきます。
当院ではお一人お一人時間をかけてヒアリングすることで、患者様本人も自覚していなかった、本当の原因を探していきます。
患者様に合わせた身体のチェック
患者様の脈から身体の状態を診る「脈診」、舌の状態から身体の状態を診る「舌診」、他にも爪の状態、手足や背中の経絡(ツボ)の状態、体の動きや徒手検査など多面的に診察していきます。
問診・カウンセリングからの情報とお身体の状態を合わせて東洋医学的,西洋医学的に診断し、患者様の治療方針を立てていきます。
トリガーポイント治療
トリガーポイントとは、患部から離れた治療ポイントになります。
その80%は東洋医学のツボと一致してると言われています。
たとえば腰が痛いと訴えて来院された患者様でも足にあるポイント(つぼ)を刺激することにより詰まりなどを改善し腰の負担を治していく治療法です。
鍼灸(はり・きゅう)治療の期間について
慢性疾患の場合は1か月から3か月は週一回、その後は2週間に一回や1カ月に一回と予防のために通院していただき治療から予防、体質改善していくのが理想です。
急性疾患(ぎっくり腰や捻挫、肉離れなど)は受傷ご3回は続けて来ていただくのが理想です。
その後は症状にもよりますが週一回や月一回など症状によりお話しいたします。
また急性疾患の場合は炎症期(受傷後約3日)の治療が特に大事になります。
また治療開始が1日遅れるごとに治癒まで1週間長くなるといわれています。
治療から予防へ
「検査では異常はないけどなぜか体調が悪い」そんなときはありませんか?
東洋医学では、病気やケガが発症する一歩手前の状態を「未病」と言います。
発症前に治療を行うことで病気やケガを未然に防ぐことができます。
この特性を活かしてスポーツ分野でも選手のコンディショニング(筋肉の張りの改善、免疫力向上など)に鍼灸が用いられており、また一般の人でもぎっくり腰になりそうだなど未然に防ぐことにより苦痛を味わうことが少ないよう日々努力しています。
また、高齢社会の今、健康寿命への関心の高まりとともに、病気を予防する「予防医学」への注目が集まっています。